ミニベロ乗りが「やめた」もの全部話す——ビンディング・パワーメーター・セラミックBB、辞めてよかったものと後悔したもの

この記事は約7分で読めます。

乗り始めてから何年も経つと、「あ、これいらなかったな」ってなるものが積み重なっていく。

ボクはTern SURGEに乗っているミニベロ乗りなんですが、ここ2年ほどで結構いろんなものを「辞め」ました。ビンディングペダル、パワーメーター、セラミックBB。どれも「ステップアップしよう」と思って導入したものです。でも、全部やめた。

今回はそれぞれ辞めた理由と、辞めてよかったのか後悔したのかを正直に書いていきます。同じようなことで悩んでいるミニベロ乗りの参考になれば。

1. ビンディングペダルをやめた話(2024年7月)

Tern SURGEを買ったとき、最初からビンディングペダルを付けました。シマノのPD-EH500、片面フラット・片面SPDのやつです。「ロードっぽい乗り方をするなら絶対ビンディングでしょ」という気持ちで。

で、2024年7月に辞めました。

辞めた理由その1:立ちゴケが怖すぎる

ビンディングを使い始めて最初の数週間、ボクは2回立ちゴケしました。信号待ちで足を外すのを忘れて、倒れる。あれ、本当に恥ずかしい。しかも痛い。

「慣れれば大丈夫」ってよく言われるんですが、ミニベロで街乗りしているとそもそも停まる機会が多い。信号、細い路地、歩行者との接近。慣れるころには次のヒヤリハットがやってくる。「緊張しながら乗る自転車って、楽しいの?」と思い始めたのがきっかけでした。

辞めた理由その2:普段使いとの相性が悪すぎる

SPDシューズって、歩き回るには向いてない。カフェでコーヒー飲んで、ちょっとぷらぷらして……みたいなポタリングスタイルには完全にミスマッチでした。コンビニ寄るたびにクリートカバーを付け外しするのも面倒で、「何のためにビンディングにしてるんだっけ」ってなってきた。

辞めた結果:めちゃくちゃ快適になった

フラットペダルに戻して、乗るのが純粋に楽しくなりました。停まるのが怖くない。どこにでも寄れる。ライドに対するハードルが下がった感覚があります。

ただ、踏み込みのダイレクト感はビンディングの方があります。「速く走りたい」「ヒルクライムのタイムを縮めたい」という目的がある人には今もビンディングを勧めます。ボクの目的がそっちじゃなかっただけ。

詳しい経緯はこちらの記事に書きました。

今使っているペダル

今はフラットペダルに戻しています。ピンが少ないタイプで靴底を傷めにくいもの。通勤・ポタリング兼用でこれで十分です。

もしビンディングを辞めてフラットに戻すなら、こういうタイプがおすすめです。


2. パワーメーターをやめた話(2024年7月)

ビンディングと同じタイミングで、パワーメーターも辞めました。4iiiiのクランク型です。

これは……正直、辞めた後もしばらく「本当によかったのか?」と悩みました。

導入した理由

「データで練習すれば確実に強くなれる」という考えで導入しました。FTPテストをして、ゾーントレーニングをして、という感じ。

辞めた理由:楽しくなくなった

パワーメーターを付けてから、ライドが「数字との戦い」になってしまいました。

「今のパワー出力は?」「心拍は?」「今日のTSSは?」。風景を見て「気持ちいいなあ」と感じる余裕が消えていった。特にミニベロで走ると、ロードバイクより同じパワーでも速度が出にくいので、数字を見るたびにちょっとがっかりする。ロードバイク乗りのデータと比べたりして、「なんでこんな効率悪いんだ」と思い始める。

「自転車って楽しいから乗ってたはずなのに、今ボク何やってるんだろう」ってなりました。

詳しくはこちら→パワーメーター辞めました。

辞めた結果:ライドが楽しさを取り戻した

今はサイコンにはスピードと距離しか表示させていません。それだけで十分です。「今日は気持ちよく走れた」「ちょっとしんどかった」という体感を大事にするようにしました。

ただ、「タイムを縮めたい」「レースに出たい」という人にはパワーメーターは本当に有効なツールだと思っています。ボクが競技志向じゃないだけで、それ自体が悪いわけじゃない。

ミニベロでパワーメーターを使う場合の注意点

ミニベロはホイール径が小さいため、同じパワーでもロードバイクより速度が出にくい特性があります。パワーメーターを使うなら「他の自転車との比較」ではなく「自分自身の成長」にフォーカスしないと、ひたすら数字に傷つくだけになります。ここはミニベロ特有の注意点として覚えておいてほしいです。


3. セラミックBBをやめた話(2025年3月)

パワーメーター・ビンディングに続いて、2025年3月にセラミックBBも「これ要らなかったな」という結論を出しました。

なぜセラミックBBに手を出したのか

「回転抵抗が減ってペダリングが軽くなる」という触れ込みに引っかかりました。ミニベロはタイヤやホイール交換で走りが劇的に変わる乗り物なので、BBでも同じ体感が得られると思い込んでいたんですよね。

結論:体感できなかった

正直に言います。体感できませんでした。

手で空転させると「おっ、よく回る」とは思うんです。セラミックの滑らかさは確かにある。でも走っているときのペダリングで「軽くなった」と感じる場面は一度もなかった。

あとで気づいたんですが、これには物理的な理由がある気がして。回転するものは、中心から遠いほど(外周ほど)変化の効果が体感しやすい。タイヤやホイールのアップグレードが劇的に感じるのは、外周部の重量や転がり抵抗が直接スピードに影響するから。BBは軸のど真ん中——回転系の中で一番「効果が出にくい場所」なんですよね。理屈としては正しくても、体感につながらない。

そしてセラミックBBは高い。数万円クラスのものも多い。「その費用をタイヤやホイールに使えばよかった」というのが正直な感想です。

詳細はセラミックベアリングはマジで無駄?の記事で書いています。

辞めた結果:特に変化なし(それが答え)

ノーマルのBBに戻しても、走行感に変化を感じませんでした。「体感できない改善」にお金を使う意味は、ボクにはありませんでした。

ただし、プロレベルの話や長距離ブルベなどでは効果が出るという話も聞きます。「体感できるかどうか」は走行距離や感覚の鋭さによっても違うかもしれない。少なくともボクの用途(街乗り・ポタリング・週末のロングライド程度)では不要という結論です。


4. ミニベロ特有の注意点——スペックアップの体感は大きい。だからこそ「何を上げるか」が重要

ここまで3つのアイテムを辞めた話をしてきましたが、誤解してほしくないことがあります。

ミニベロは、スペックアップの体感が大きい乗り物です。むしろロードバイクより敏感に変化が出る。

タイヤをグレードアップしたときの違いはロードより明らかだし、ホイールを変えたら別の乗り物になる。軽量化の恩恵も小径ホイールのほうがダイレクトに感じる。ミニベロに乗り始めてからのほうが、パーツ交換の「やった感」は圧倒的に高い。

ではなぜビンディング・パワーメーター・セラミックBBを辞めたのか。それは「スペックが効かない」のではなく、「自分の用途に合っていなかった」というだけの話です。

  • ビンディング:街乗り通勤でストップ&ゴーが多い→フラペのほうが快適
  • パワーメーター:数値管理よりポタリングを楽しみたい→サイコンで十分
  • セラミックBB:ここだけは正直、ミニベロかどうか関係なく体感が薄いアイテムだった

ミニベロはスペックアップに正直な乗り物だからこそ、「何にお金をかけるか」の選択がそのままライドの楽しさに直結する。ビンディングやパワーメーターが刺さる人には絶対刺さる。ボクには合わなかった、というだけの話です。


5. まとめ:やめることは失敗じゃない

辞めたものをまとめると:

辞めたもの辞めた時期辞めてよかった?後悔した?
ビンディングペダル(PD-EH500)2024年7月◎ めちゃくちゃ快適にほぼしていない
パワーメーター(4iiii)2024年7月○ ライドが楽しくなった少しだけした(数週間は迷った)
セラミックBB2025年3月△ 変化なし=無駄なお金を使わずに済むしていない

「辞める」ってなんとなく「負け」みたいな感じがしてました。「せっかく買ったのに」「また元に戻るの?」みたいな。でも今思えば、試して、違うと判断して、戻す——それって普通に賢い判断ですよね。

特にミニベロは「ちゃんとした自転車乗り」の世界では若干マイナー扱いされることもあります。でもミニベロはスペックアップの体感が大きくて、カスタムの楽しさはロードに負けない。だからこそ「ロードバイク文化の優先順位をそのまま持ち込まなくていい」という気づきが、ボクには大事でした。何を上げるかは、自分の乗り方次第。

ビンディングを辞めたら、乗る回数が増えました。パワーメーターを辞めたら、風景を見ながら走れるようになりました。セラミックBBを辞めたら、お金の使い方が変わりました。

「辞める」は、自分のスタイルを確認する行為でもあると思っています。


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この記事を書いた人

ミニベロロード歴6年。愛車のTern Surgeを使って、ミニベロロードでのサイクリング、カスタムを中心にユーザー目線で初心者の方でもわかりやすいコンテツをブログ&YouTubeで発信中!

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