ミニベロTern Surge3万キロ乗ったインプレ

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2018年にミニベロTern Surgeを購入してまもなく6年、距離にして3万キロほど乗りました。そこで今回はミニベロロードTern Surgeについてどんな自転車なのか色々な角度から初心者向けの解説をしていきます。

Tern Surgeにはどんな種類があるのか?

Tern Surgeにはいくつかのグレードがあります。価格の安い順に見ていくと、

  • SURGE UNO
  • Surge
  • Surge Pro
  • SURGE X

の4種類があります。

それぞれの特徴と価格を表でまとめました。

SURGE UNOシングルスピード、ブルホーン87,780円(税込)
Surge2 × 8118,800円(税込)
Surge Pro2× 10、カーボンフォーク237,600円(税込)
SURGE X2 × 11、カーボンフォーク、ディスクブレーキ322,300円(税込)
価格は2024年1月現在公式サイト参照

SURGE UNO
SURGE UNO

シングルスピードのため登りは苦手がだ街乗りオンリーだったら8.9kgとSurgeファミリーで最も軽量な1台。

Surge
Surge

ボクが乗っている無印のTern Surge。このまま乗ってもいいし、存分にカスタマイズしてイジることも楽しめる1台。

Surge Pro
Surge Pro

無印のSurgeに比べ、リアの変速が10速、フロントフォークがカーボンになっています。またホイールも無印Surgeに比べ、ディープホイールでかっこいい。自転車をイジるのが苦手ではじめからある程度のスペックをお望みの方はSURGE PROがおすすめ。

Surge Pro Delta
Surge Pro Delta

こちらはSurge Proの配色パターン違いの一台。主なスペックは先ほどのProと同じです。

SURGE X
SURGE X

SURGEで唯一のディスクブレーキモデル。リアの変速も11段と変速段数は十分。フロントホイールがカーボンのバトンホイールを採用し、フォークもカーボンとなっています。ディスクブレーキのSURGEが欲しい方はSURGE X一択です。

SURGE4モデルを比較した動画

ミニベロロードTern Surgeの走行性のは?

先程4種類のSURGEを紹介しましたが、ボクが購入したのは無印のTern Surge(2×8)の16段変速になります。なので、ここからは無印のTern Surgeをベースにお伝えします。

ミニベロで長距離走行は可能?

長距離ライドの定義は人によって異なりますが、可能か不可能かで言えば、もちろん可能です。重要なのは、自分の体力と経験に合わせて無理なく距離を伸ばしていくことです。ボクの場合、最初は片道12kmの通勤から始めました。徐々に週末ライドで30km、50km、100km、150kmと距離を増やしていきました。これまでの最長ライドは約190kmです。長距離に挑戦する際は、ペースを守り、休憩や水分補給を適切に行うことがカギとなります。

自転車ごとの乗り心地の違い

これまでボクはママチャリ、クロスバイク、ロードバイク、そしてミニベロロードのTern Surgeを乗り継いできました。長距離を走る際に、乗り心地や楽さは自転車の種類によって大きく変わります。以下がボクが感じた、楽に走れる車種ごとの順位です。

ロードバイク > クロスバイク=Tern Surge > ママチャリ

やはり、圧倒的にロードバイクが一番楽でした。意外だったのは、クロスバイクとミニベロロードのTern Surgeの間にはそれほど大きな差を感じなかったことです。

クロスバイク vs ミニベロロード

なぜクロスバイクとミニベロロードの間にそれほど大きな差を感じなかったのかを考えてみました。まず、クロスバイクはタイヤが大きく、長距離走行に向いていると一般的に考えられています。一方、ミニベロは小さなタイヤのため、通常はスピードや安定性に不利です。しかし、ミニベロロードのTern Surgeは、ドロップハンドルが装備されているため、前傾姿勢で走行できる点が大きなメリットでした。前傾姿勢により空気抵抗が減り、これが長距離走行において非常に有効であることが分かりました。

空気抵抗と前傾姿勢の重要性

空気抵抗はロングライドでの疲労に大きく影響します。特に100kmを超えるライドでは、平坦な道であっても風による抵抗が負荷となり、体力を消耗させます。ロードバイクやTern Surgeのようなドロップハンドルを備えた自転車は、前傾姿勢を取ることで風の抵抗を抑え、結果的に長時間走っても疲労を軽減することができます。ミニベロであっても、ハンドルの形状やポジション調整次第で効率的に走行することが可能です。

体力作りと持久力の鍛錬

もちろん、自転車だけでなく、自分自身の体力作りも重要です。長距離に挑戦する際には、徐々に距離を伸ばしていきながら、体力と持久力を鍛えることが必要です。週末のライドではペースを守り、ライド後のリカバリーにも気を配ることで、より長い距離を走れるようになります。

過去にビワイチした記事が何本かありますが、そこから1記事ピックアップしました。よければ併せてお読みください。

ミニベロロードで長距離ライドの注意点

初めてスポーツバイク、特にドロップハンドルのミニベロロードに乗る際、今までママチャリに乗っていたのと同じ感覚でライドすると、すぐにお尻や腕に痛みやしびれが出てしまうことがあります。これは、ライディングポジションが異なるためで、せっかくの楽しいライドも身体の痛みで台無しになってしまうことがよくあります。そこで、以下のポイントを押さえることで、より快適な長距離ライドが可能になります。

体重の分散とバランス

ママチャリでは、ほぼ全ての体重がサドルにかかっているため、長時間乗るとお尻に負担が集中して痛みやしびれが発生しやすくなります。しかし、ミニベロロードやスポーツバイクでは、体重をサドル、ペダル、ハンドルにバランスよく分散させることが重要です。特にペダルに体重を乗せる意識を持つことで、サドルへの負荷が軽減され、お尻の痛みを和らげることができます。

ハンドルの握り方と体幹の使い方

ドロップハンドルに慣れていない場合、ハンドルを強く握りすぎてしまい、腕や肩に過度な力が入ってしまいます。これが腕のしびれや肩こりの原因となることが多いです。ハンドルは軽く握る程度にして、上半身は体幹で支える意識を持つことで、腕のしびれを軽減することができます。体幹を鍛えることで、長時間のライドでも疲れにくくなるため、普段から体幹トレーニングを取り入れるのも良い対策です。

カーボンパーツで快適さを向上

もし体幹を使うのが難しかったり、普段まったくトレーニングをしない人であれば、機材に頼ることも選択肢の一つです。例えば、ハンドルやフォークをカーボン素材に変更するだけで、振動吸収性が向上し、腕への負担が軽減されます。カーボン素材は路面からの振動を効果的に吸収するため、特に長距離ライドで腕のしびれを防ぐのに効果的です。

カーボンハンドル導入の記事は↓こちらから。

カーボンフォーク導入の記事はこちら

サドルの重要性と選び方

Tern Surgeの初期付属サドルは安価なものが多く、長距離を快適に走るには不十分な場合があります。お尻に合わないサドルでは、長時間のライドで痛みが出やすいため、自分に合ったサドルを探すことが重要です。プロショップでは、サドルのテストレンタルを行っていることが多く、実際に乗って試すことで、自分に最適なサドルを見つけることができます。自分のお尻に合ったサドルを見つけることで、長時間のライドでも快適に過ごせるようになります。

スピードはどれくらい出るの?

一般的にママチャリの平均速度は約15km/hと言われていますが、ミニベロロードのTern Surgeに乗ると、その速度が大きく変わります。Tern Surgeの場合、平均速度は20〜25km/h程度です。これは週末のロングライドや郊外でのストップアンドゴーが少ない状況におけるスピードです。一方、通勤や街乗りの際には、信号や歩行者が多くなるため、速度は15〜20km/hに落ちることが一般的です。

最高速度について

それでは、最高速度はどれくらい出るのでしょうか?ボクの場合、平坦で無風の条件下では、Tern Surgeで45km/h前後のスピードが出せます。過去の記録では、43km/hのデータが残っています。これについては、以前の記事にも詳しく記載していますので、参考にしてください。(なお、この記事で紹介しているTern Surgeはカスタマイズされていて、フロントギアはシングルギアの46T仕様になっています。)

スピードを上げるためのポイント

ミニベロロードで速度を出すためにはいくつかの要素が関わってきます。まず、ギア比が重要です。また、ポジションもスピードに大きく影響します。前傾姿勢を取ることで空気抵抗が減り、スピードを維持しやすくなります。

さらに、タイヤの空気圧ホイールの回転性能もスピードに影響を与えます。適切な空気圧で走ることで転がり抵抗が減り、少ない力でスピードを出すことができます。ホイールのアップグレードも、より軽量で剛性の高いものを選ぶことで、加速やスピード維持が向上します。

維持費はどれくらいかかるの?

ママチャリとは異なり、スポーツバイクは購入後も定期的なメンテナンスが必要です。特に、タイヤやチェーンといった消耗品の交換は避けられません。維持費はこれらのメンテナンスや交換頻度に依存しますが、ある程度の費用を見込んでおく必要があります。

消耗品の交換頻度と費用

ボクの場合、タイヤは約4,000km走行ごとに交換し、チェーンは5,000kmで交換しています。年に1回タイヤとチェーンを交換する場合、以下のような費用がかかります。

  • タイヤ(前後セット): 約6,000〜10,000円
  • チェーン(8速): 約2,000円

これを年間の維持費として考えると、合計8,000〜12,000円程度はかかることになります。

その他の維持費

メンテナンスにはタイヤやチェーン以外のコストも含まれます。例えば、洗車用のグッズも必要です。ボクの場合、6年間乗っているTern Surgeは、現在はパーツクリーナーと食器用洗剤を使って洗車を済ませていますが、自転車専用のケミカル類にこだわると、さらに費用がかかる可能性があります。例えば、自転車専用のチェーンルブやクリーナー、ワックスなどを使うと、年間約10,000円程度かかることもあります。

その他のパーツ交換の必要性

今回、最低限必要なタイヤとチェーンの交換について説明しましたが、他にもブレーキシューやワイヤー、ギアのスプロケットなど、定期的に交換が必要なパーツがあります。これらも走行距離や使用状況によっては交換が必要になり、追加の費用がかかります。

例えば、ブレーキシューの交換は数千円、スプロケットの交換は1万円前後かかることが一般的です。これらを含めて計算すると、年間の維持費はさらに増える可能性があります。

ミニベロロードを維持するためには、最低でも年間8,000〜12,000円程度の費用がかかりますが、洗車グッズやその他のパーツ交換なども含めると、年間20,000円前後のコストを見積もっておくと安心です。定期的なメンテナンスを行うことで、自転車を長く快適に使い続けることができます。詳細なパーツごとの寿命や交換時期については、以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。

おすすめのカスタムは?

Tern Surgeに乗る楽しさと同じくらい、カスタマイズを行うのもボクにとっては大きな楽しみの一つです。自転車の性能や乗り心地を向上させるためのカスタムは数多くありますが、今回はボクが実際に行った中で、特にコストパフォーマンスが高かったカスタマイズを3つ紹介します。

タイヤ交換

自転車のカスタムの中でも最も効果を感じやすいのがタイヤ交換です。特にTern Surgeは20インチの451サイズを採用しており、タイヤの種類が限られていますが、その中でもボクのおすすめはパナレーサーのミニッツライトです。このタイヤは非常に軽量で、走りが軽快になるのが特徴です。

通常、ミニベロのようにタイヤ径が小さい自転車は、ペダルを止めるとすぐに減速してしまう傾向があります。しかし、このミニッツライトは転がり抵抗が非常に低いため、ペダルを止めてもデフォルトのタイヤよりも長くスムーズに転がり続けます。実際に交換してみると、その違いがはっきりとわかり、特に長距離ライドでその恩恵を強く感じました。タイヤ交換は、走行性能を向上させる上で最も効果的なカスタマイズの一つです。

交換したときの記事も共有しておきます。

ミニッツライトも含めてミニベロ451サイズのおすすめタイヤをまとめた記事です。

チューブ交換

2023年頃から、超軽量のTPU(熱可塑性ポリウレタン)チューブがロードバイクの世界で注目され始めましたが、実はミニベロ用のTPUチューブも存在します。このチューブの特徴は、その圧倒的な軽さです。重量はなんと25g。一般的なブチルチューブが約100g程度であるため、前後のチューブをTPUチューブに変えるだけで、150gの軽量化が可能です。

軽量化により走りの軽快さが向上し、特に加速やヒルクライム時にその違いを感じやすくなります。ボクも最初は、薄くて耐久性に不安があるのではないかと思いましたが、実際に使ってみると、ブチルチューブとほぼ同じ感覚で扱えました。特に大きなトラブルや不具合もなく、通常のライディングに十分耐える性能を持っています。

TPUチューブは軽量化を図りつつ、走行性能を向上させたいライダーにとって、非常にコストパフォーマンスの高いカスタムです。長距離ライドやヒルクライムをより快適に楽しむために、ぜひ試してみてください。

ペダル交換

最後に紹介するカスタムは、ペダルの交換です。Tern Surgeのデフォルトペダルは、スニーカーで乗るには少し幅が狭く、ペダルを踏み込んだときに安定感に欠けると感じました。特に、スピードを出そうと思うと、ペダルをしっかり踏み込む安定感が重要です。

今回紹介するのは、クランクブラザーズのスタンプ1というフラットペダルです。このペダルは、踏み込む面が広く、滑り止めのピンがついているため、しっかりと力を伝えることができ、無駄なくパワーを路面に伝えることができます。ただし、このブランドにこだわる必要はなく、踏み面が広く、滑り止めがしっかりしているペダルを選ぶことがポイントです。

もちろん、もっと効率的にペダリングをしたい方や、本格的なライダーであれば、ビンディングペダルの方がいいかもしれません。ビンディングペダルは、靴をペダルに固定することで、より効率的に力を伝え、長距離ライドやヒルクライムで特に効果的です。

ボクはロングライド中歩くことも想定して、SPD系のペダルを使用しています。フラットペダルと同様クランクブラザーズのエッグビーターを愛用。

今回はペダル、タイヤ、チューブと3つのコストパフォーマンスの高いカスタムを紹介しましたが、ボクは他にもTern Surgeをさまざまにカスタマイズしてきました。

例えば、フラットバーへの交換リアキャリアや前かごの取り付け、さらにはコンポーネントの入れ替えなど、自分のライディングスタイルに合わせた様々な工夫を行ってきました。カスタムは自転車の楽しみを広げてくれるので、ぜひ自分に合ったスタイルを見つけてください。

今まで数多くのカスタムをしていきました。興味のある方はTern SURGEカスタム一覧を御覧ください。
Tern SURGEカスタム一覧

まとめ

今回はボクが6年30,000km乗ってTern Surgeに感じたことを、これから買おうと思っている方へ少しでも参考になってくれたら幸いです。

なるべく好印象の部分を書きましたがTern Surgeのデメリットの部分もあります。メリット・デメリットの記事も過去に書いているのでよければ読んでください。

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